害鳥・害獣まめ知識
ハクビシンについて
●ハクビシンとは
日本に生息する唯一のジャコウネコ科の哺乳類である。漢字で「白鼻芯」と書く通り、額から鼻にかけて白い線があるのが特徴である。他にも、頬や耳の下あたりが白くなっている。主に東南アジアから中国を中心に生息している。体長は約50cm、尾の長さは約40cm、体重は2〜3kg程度で、オスのほうがメスよりひと回り大きい。糖度の高い果実を好む為、果樹園の被害が多いが、生ゴミなどのエサを求めて郊外に現れ、被害が増加している。
●ハクビシンの特徴
- 夜行性動物で夜行動する。昼間は屋根裏・樹洞・岩穴などに潜む。電線を使って移動することもある。
- 植物食中心の雑食性だが、特に糖度の高い果実・野菜を好んで食べる 。野菜・昆虫・爬虫類・小動物・鳥類・鳥の卵なども食べる。熟した果実や野菜などを見つけると毎夜同じ路を辿って侵入するので、獣道が形成される。
- 同じ場所に糞尿をする(ため糞)。
- 運動能力が高く、木登りが得意で、樹洞、タヌキなどの動物が使い古した巣穴などを住処にする。民家の軒下・屋根裏などに住み着くことも非常に多い。電線などを綱渡りで移動できる。垂直の壁を登ることもできる。垂直に1メートル以上ジャンプできる。
- 年間を通じて発情・出産をする。(主に、春から秋にかけて。)
●ハクビシンによる被害
- 民家・倉庫・神社などの屋根裏に侵入する。
- 農作物の食害(主に、糖度の高い果実・種子・野菜など)。果樹園に侵入し、ビワ、ミカン、桃、ナシ、カキなどを食べ荒らしたり、トマト、ウリ類のビニールハウスに侵入することもあり、深刻な農業被害を与えている。ネットの隙間など、頭部が潜れる大きさの隙間ならば侵入できる。熟した果実や野菜を見つけると、同じ路を辿って毎夜訪れるので、畑の隅などの草むらに獣道状の隙間ができる。
- 民家の屋根裏に住み着き、大きな足音による騒音、糞による悪臭・寄生するダニ・ノミの二次被害。雑菌の媒介。
- 生ゴミを漁り散らかす。(日本では「鳥獣保護法」により狩猟獣に指定され、(アライグマと異なり)、駆除対象となっていないため、実害を利用とした、鳥獣保護法に基づく都道府県などの許可(「有害鳥獣」認定)が必要で、「住宅街をうろついている」など、民間人の予防的捕獲は許されていない。)