害鳥・害獣まめ知識
鹿(シカ)について
●鹿(シカ)とは
シカは、鯨偶蹄目(げいぐうていもく)シカ科に分類される哺乳類の総称である。日本では、単にシカと言う場合は、ニホンジカを指す。名前から得られる印象とは異なり、日本以外にも広く分布している。国内では、北海道から九州に掛けて広く分布している。(主に、北海道のエゾシカ、本州のホンシュウジカ、九州・四国のキュウシュウジカの3種などであり、北の方の鹿ほど体が大きい。)体長は110〜170cm、体重は40〜110kgで、大型の動物である。オスのみが角を持っている。食性は草食性で、下草・稲・苗木・樹木の枝葉や樹皮などあらゆる植物、穀物・野菜・果物などのあらゆる農作物を好んで食べる。地方によって好む食物に差がある。近年では、暖冬続きにより越冬が容易であったことなどから個体数が増加し、森林の食害による被害が深刻な社会問題となっている。
●鹿(シカ)の特徴
- 繁殖力が旺盛で、4年で約2倍に増加すると言われている。(一夫多妻制で、オスの個体数が減少しても繁殖力が衰えない。)交尾期は9〜11月で、オスは「フィー」と聞こえる鳴き声を発し求愛を行う。
- 草食性で、牛のように4つに分かれた胃を持ち、反芻による消化を行う。植物食で、草や木の葉、ササ、果実などを採食し、餌の乏しい冬季には樹皮も食べる。
- 日本で広く生息している。
- 森の中でも俊敏に移動できる。跳躍力が優れており150cmを越える柵を跳び越えた例がある。
- 性格は非常に臆病である。
- 森林や草原などに生息し、主に薄明薄暮性だが、狩猟期には夜行性となる。
●鹿(シカ)による被害
- 農作物の食害。畑や田んぼの作物を食い荒らし、踏み荒らしてくる。
- 樹木の食害による被害。(樹木の皮も食べるため、森林が鹿の食害により枯れてしまうといったケースもある。)
- 樹木への角(ツノ)の擦り付け被害。
- 糞による不衛生。
- 衝突事故。(※鹿と鉄道車両との衝突事故は長年の懸案であるが、JRにより、ライオンの糞尿を線路に振り撒くという方法が考案・実用化されてから事故は激減した。鹿がライオンの匂いに怯えて線路に立ち寄らなくなるからである。)